Q. 矛盾、の意味を

A. 「矛盾」とは、互いに相反する2つ以上の主張や事実が同時に存在する状態を指します。
例えば、ある主張が正しいとすると、それとは反対の主張も同時に正しいことができない状況が矛盾とされます。

矛盾は、論理的に矛盾する主張や事実がある場合にも使われます。
例えば、AとBが同時に真であるということができず、AとBが同時に偽であるということもできない場合、AとBは矛盾しているといえます。

矛盾は、論理的思考や論理的な論証において重要な概念であり、論理的に整合性のない主張や論理的矛盾を含む主張は信頼性に欠けると考えられています。

Q. 矛盾の語源は?
A. 「矛盾」の語源は、中国語の「矛盾」から来ています。
矛は戦闘用の棒状の武器で、盾は身を守るための防具を意味します。
矛と盾は、戦いにおいて相互に依存する存在であり、矛を使う側が盾を使う側に攻撃する場合、矛を使う側が勝つことはできず、逆も同様です。
このように、相反する存在が互いに依存しあっているという意味から、中国語の「矛盾」という言葉が生まれたとされています。
後に、この言葉は日本にも伝わり、「矛盾」という表記で使われるようになりました。

Q. 矛盾に関する故事
A. 矛盾に関する有名な故事として、以下のようなものがあります。

「矛盾する命題」の問題
古代ギリシャの哲学者エピメニデスは、自分自身が言う「わたしは嘘をつきます」という命題が真か偽かどちらにも当てはまらない、つまり矛盾していると主張しました。
この命題が真か偽かどちらにも当てはまらないことは、いわゆる「エピメニデスのパラドックス」と呼ばれる問題として知られています。

「矛と盾」の故事
中国の戦国時代の諸子百家の一人である韓非子には、「矛盾を突く」という有名な故事があります。
ある人が韓非子に「矛と盾、どちらが優れているか」と問うたところ、韓非子は「矛が優れている」と答えました。
すると、その人は「しかし、矛には盾を貫く穴があり、盾はそれを防ぐことができる。
つまり、盾が優れているのではないか」と反論しました。
すると韓非子は、
「その通りだ。
しかし、矛が盾を貫くことができるという前提がなければ、盾が必要ない。
つまり、矛と盾は相互に依存し合っているのだ。」
と答えたと伝えられています。

この故事は、相反する2つのものが互いに依存し合っていることを表しており、矛盾するように見えるものでも、その裏には深い関係性があることを示しています。

Q. A=どんな盾も貫く矛
B=どんな矛にも貫かれない盾
AでBを貫こうとしたらどうなる?

A. AとBの命題を考えると、Aが真である場合、どんな盾でも貫くことができる矛が存在するということになります。
一方、Bが真である場合、どんな矛でも貫かれない盾が存在するということになります。

しかし、AとBがともに真である場合、矛はどんな盾でも貫くことができると同時に、どんな矛でも貫かれない盾が存在することになります。
このような状況は、論理的に矛盾しているため、AとBがともに真であることはありえません。

したがって、AとBがともに真である場合は矛盾が生じるため、そのような状況は存在しません。

Q. ある商人が、上記のAとBとを持っているよ、と言って売ろうとしたところ、じゃあAでBを貫こうとしたらどうなる?と尋ねられて困った。
という話から矛盾という言葉が出来た、と私は聞いたのですよ。

A. そういった逸話があるという説話もありますが、真偽は不明です。
矛盾という言葉の起源については、歴史的な文献によって異なる説があります。
例えば、古代ギリシャの哲学者パルメニデスの思想において、存在には矛盾が存在しないと主張していたことから、矛盾の概念が生まれたとする説や、漢字文化圏で「矛」と「盾」の2つの文字が組み合わせられて「矛盾」という言葉が生まれたとする説などがあります。
しかし、矛盾という概念自体は、哲学や論理学の分野で古くから議論されており、複数の要素や命題の間に矛盾が生じることを指しています。