では、桃太郎のおとぎ話を、...風の詩で書いて 中原中也「桃太郎」 青き海原 桃浮かぶ 揺蕩う波に 巻かれて はるかな山河 旅の途へ 犬、猿、雉 異郷の仲間たち 鬼の巣くう 険しい山道 桃太郎は 歩を進める 一歩、また一歩 雄々しく 仲間たちは 忠実について来る 大鬼、中鬼、小鬼 待ち受ける しかし、桃太郎 恐れずに 犬、猿、雉 力を合わせ 鬼たちを 打ち破るのだ 平和な里に 帰還すると 桃太郎は 英雄として 人々にたたえられ 歌われる 彼の勇気は 時を超えて語り継がれる 西條八十「桃太郎」 青空高く 眩しい光 はじける笑顔が 祝福の声 誰もが知る その名を持つ 桃太郎、勇者の 物語 桃色に染まる 朝陽の下 旅立つ彼に 別れの涙 「強くなるよ」 誓いを胸に 立ち向かうのさ 鬼の群れに 鳴り響く声は 友情の証 犬、猿、雉 仲間たちの力 勇気を持って 立ち向かう 桃太郎の姿 崇められる 戦いの果てに 平和な里 故郷に戻る 桃太郎の帰還 彼の勇気と 仲間たちの絆 この世に残る 永遠の物語 与謝野晶子「桃太郎」 草原に佇む 一軒家 やわらかな陽射し 差し込む窓 母が織り上げる 色とりどりの布 ふと聞こえる 語りかける声 「母さん、誰か来たわよ」 そうして見つけた 桃の実 空に続く青さ 神々しい美 桃太郎、世界を目指す 犬、猿、雉 仲間が集い 力を合わせて 鬼たちと戦う 勝利の輝きが 仲間の胸を照らす 「おうちに帰ろう、母さんが待ってる」 雄大なる自然 途切れることなく 流れ行く川に 大地に感謝を 桃太郎の心 温かく輝く 愛と勇気 世界に広がる やがて、彼の名は 歌い継がれ 「母さん、みんな、ありがとう」 そう言って微笑む 桃太郎の姿 美しきこの国に 永遠の平和を。