いたずらばかりしていた少年時代、 
いや、年取ってからもいたずらばかり。 
こんな私もサンタクロースだけは信じていた。 
イブの夜、眠っていて、ふと気配を感じて目を覚ますと、 
枕元にサンタが立っていたからだ。 
ガバッと起きて驚かしたくなる衝動に駆られながらも 
決して起きることはしなかった。 
いたずら好きは家系なので、 
父親のいたずらでは、と疑った事もあった。 
それで、イブの夜、両親が眠ってから、 
両親をベッドに縛りつけておいたことがあった。 
だが、その年もサンタは現れた。 
毎年必ずイブの夜にはサンタが枕元に立つ。 
もう死期が近付いた爺さんになってからも。 
そんな私に育てられたせいか、 
子供たちもサンタを信じているようだ。 
そして、孫たちも。 
私はもうすぐ死ぬ。 
今度のイブまで生きていたかったけど、無理のようだ。 
また、発作が。 
もう、私の人生もお終いだな。 
意識を失う直前に鏡に映った己の姿が目に入った。 
あぁ、次は私の番か。 
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