健康診断。 
医者が私のレントゲン写真を見ながら唸っている。 
「何か異常が?」 
「...」 
何も言わずに写真を差し出す。 
「げ」 
肺に写っているこの女誰だ? 
ていうか、何これ? 
看護婦も全員こちらを見ている。 
何かを押し殺すように口を押さえ。 
「肺にこんなものがあったりしませんよね?」 
「...」 
「人面瘡、てこと、いや、これはレントゲンだし」 
「...」 
「先生、一体これ...」 
医者の真剣なまなざし。 
「君は色盲かね?」 
「違います」 
「では、君にはいい医者を紹介しよう」 
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