「透明化薬を発明した」
「げ、手が」
「そう、これがそうぢゃ。ビーカー...は透明化して見えないが、
ビーカーに入っているこれが透明化薬ぢゃ」
「ビーカーや手が透明に...」
「この薬に接したものには透明化する波動が伝わり透明になる。
しかも透明化した物質は透明化の波動を伝えやすくなる」
「透明化薬から離れれば、今のように透明化の影響も薄らぐのですね。
代りに机が透明化し始めましたが。
でも、放っておいたらすべての物が透明になる、てことは...」
「残念ながらない。透明化の波動は減衰してゆくし、
透明化薬の半減期はあまり長くない」
「半減期...」
「ともかくこの通り完成ぢゃ」
「一つ気になる事があります」
「質問は後ぢゃ。まずは実験」
「実験、て、げ、何故飲むんです?」
「身体の中心に置いておく方が身体全体が透明である時間が長くなる」
「それはそうでしょうが...げげげ、どんどん透明になっていく。
透明化の速度が早い」
「温度が高い方が波動が伝わりやすいのぢゃ」
「ははは、床が抜けているみたいですね」
「足元が透明になっても地面ならそれほど目立たないから、
気にすることはないな」
「...透明化薬が見えていることは気にならないのですか?」
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